兵庫県香美町のお客様より、掛軸表装のご依頼をいただきました。今回の表装対象は「真言宗十八本山」の納経軸(朱印軸)です。
「真言宗十八本山」という言葉を初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれません。私自身も調べてみて、その奥深さに驚かされました。真言宗の主要な十六派の本山が十八集まって構成される霊場で、本山ばかりが並ぶだけに、寺院名を見れば誰もが聞いたことのある有名寺院ばかりです。その中には「根来寺」も含まれています。
根来寺と根来衆の歴史
根来寺といえば、戦国時代に名を馳せた「根来衆」が有名です。紀州の雑賀衆と並んで、戦国時代の僧兵集団として知られています。ここで面白いのは、根来衆が真言宗の寺院に属していたという点です。
雑賀衆といえば、本願寺を支えたこともあり、浄土真宗のイメージが強いですね。そのため、根来衆も同じく浄土真宗の勢力だと思い込んでいました。しかし、実際には根来寺は真言宗の寺院であり、根来衆もその影響下にあったのです。
人間の脳は、知っているもの同士を無意識に結びつけ、バイアスを作ってしまいます。こういった歴史の事実を知ることで、自分の思い込みを見直すきっかけになりますね。
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「掛軸=床の間」「絵画=富裕層のもの」ではありません!
このバイアスの話は、私たちが扱う掛軸や絵画の世界でもよく見られます。
「掛軸は床の間に飾るもの」「絵画は富裕層の持ち物」と思い込んでいませんか?実際には、現代の住まいに合わせてコンパクトな掛軸やモダンなデザインの作品も増えています。
例えば、マンションやアパートでも、リビングや玄関に掛け軸を飾ることで、空間の雰囲気をがらりと変えることができます。また、価格帯も幅広く、決して一部の人だけのものではありません。
まとめ
真言宗十八本山の納経軸の表装を通じて、歴史やバイアスについて考えるきっかけになりました。掛軸や絵画に対する固定観念を少し取り払ってみると、新しい発見があるかもしれません。
サンコー商事では、納経軸の表装や掛軸の修復、さらには現代の暮らしに合う美術品の提案も行っております。興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください!
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