
こんにちは、サンコー商事です。
今回は、鳥取県北栄町で親子の虎が描かれた掛軸の修理をご依頼いただきました。
虎の絵には古くから、家を守り、災難を振り払う守護の意味が込められています。力強い虎の姿は、生命力そのものであり、その力強さは多くの人々の心に畏敬の念を与えてきました。
「無事長久を祈って」「家族の健康を願って」「寅年生まれの守護として」、あるいは「某球団の勝利祈願に」とさまざまな思いを託して虎の掛軸を飾られる方も多いですね。
今回修復させていただいた掛軸には、親と子の虎が描かれており、親子の愛情の深さも感じられる作品でした。日本画や掛軸には、こうした深い意味や願いが込められていることが多く、それが一層、見る者の心を引きつけるのだと思います。
もしご自宅に掛軸があるなら、ぜひ改めてじっくりと眺めてみてください。きっとそこにも、ご先祖様や家族の願いや思いが込められているかもしれません。
さて、私も時々展示会などで掛軸の話をすると、つい話が長くなってしまいます。「掛軸の深さや魅力を知ってほしい!」という一心で、ついつい熱が入ってしまうのです。ただ、その中でふと思うのが「私の説明が、お客様の自由な解釈を妨げてしまっていないだろうか?」ということです。
本当は、絵の感じ方や見方は人それぞれであり、あえて私から多くを語らず、お客様ご自身が感じるままに楽しんでいただくのが一番だと分かってはいるのですが、掛軸の価値が伝わらず「古臭いだけ」と思われるのもまた怖くて、つい話しすぎてしまうのです。
このブログを読んでいただいている皆様には、私がついおしゃべりしてしまうのもそんな理由だとご理解いただけると幸いです。そして、もしお会いする機会がありましたら、「もうわかったからちょっと黙っとれ」と、遠慮なくお声かけください(笑)。
では、またどこかの展示会でお会いできるのを楽しみにしています。
掛軸や額など美術品の修理修復相談はサンコー商事まで 掛軸修理の価格は税込42,900円から承っております。(サイズや傷み具合、選ばれる素材により価格が変わります)
どうぞ公式HPからお気軽にご相談ください。