🎸懐古と革新のあいだで:ギターと美術の話

丹波篠山掛軸修復事例 修復事例
丹波篠山掛軸修復事例

実は私、エレキギターを弾きます。演奏歴だけで言えば、もう30年くらいになるんですが、別に詳しいわけではありません。ギター談義になると「どのピックアップが~」とか「何年製のレスポールが~」とか出てくるけど、そういうのにはついていけません。でも、音を出してるだけで楽しいし、ギターがある生活ってやっぱり良いなって思うんです。

そんな中、少し困っていることが・・。アリアプロのテレキャスタータイプを持っています。確かコロナ前に3万円くらいで買ったもので、「これは弾き潰すためのギターやな」と思って、ほどほどに使ってきました。ところが最近、そのギターのフレットがすり減ってきまして。弾いてて明らかに音が詰まるし、何より弾きにくい。「これは修理出すしかないな…」、と。修理金額もおおよそわかってます。4万〜5万。3万で買ったギターになぁ・・・と思うと買い替えも視野に入ってきます

🏗️変わらない良さと、進化する魅力

エレキギターってなんか面白くて、すごく「懐古主義」が根強い世界だなと思うんです。たとえば、ギブソンのレスポールとか、フェンダーのストラトキャスターとか、1950〜60年代のスタイルを今でもそのまま作り続けてる。「この音、この形、この材、この重さじゃないとアカン!」って、ある種の信仰に近いものを感じるくらいです。

でもその一方で、**ポール・リード・スミス(PRS)**のようなメーカーもあります。音もデザインも作りも、最新の技術を取り入れてどんどん進化していく。トラブルのない、チューニングの安定した「今できる最高のギター」を作ろうとしている。昔の名器と張り合うんじゃなくて、別の軸で勝負してると感じます。(あくまでも個人的な感想です)

どっちが正解か、じゃないんです。
これはもう、**「どっちが自分にとって気持ちいいか?」**という話なんですよ。

🪞自分の中にある二人の自分

私自身、ギブソンのレスポール(廉価版ですが)も持ってるし、YAMAHAのジャパンビンテージも手元にあります。そして今、PRSが欲しい。この状況、すごく象徴的だなと思うんです。

自分の中に、「古いものの良さを愛する自分」と「新しいものに惹かれる自分」が共存してるんですよね。「ギブソンレスポールを持っている」という、ハイブランドを手にしている自己満足感。でもPRSの最新技術を詰め込んだギターも欲しい。どっちが優れてるとかじゃなくて、「どっちも欲しい」っていう。

そして、ふと気づいたんです。これ、美術の世界にも全く同じことが言えるなと。

🖼️美術にもある「懐古と革新」

私の本業は、美術の仕事です。中でも日本の掛軸や表装文化に携わっていると、
古いものの魅力に日々向き合うことになります。

たとえば、修理でお預かりするような何十年前の日本画には、「もう二度とこういう作品は生まれないだろうな」と思わせてくれます。現代美術ではまず描かないものを題材として選んだり、よくある画題であっても大胆な構図を採用していることが多々あります。

掲載画像は丹波篠山市のお客様からご依頼頂いた掛け軸修復のものです。現代美術には無いであろう可愛さを感じませんか?現代掛軸の大半は構図が固定されていますが、古いものは本当に自由に描かれています。

でも同時に、現代の美術や新しい素材・表現にも惹かれる自分がいます。現代作家による新しいテーマ性、鮮やかな色彩、実験的な構図。それらは今という時代の空気を反映していて、今の私にとってとてもリアルなんです。

ギターの世界と同じく、美術にも**「変わらない良さ」と「進化する面白さ」**が共存していて、
そして、どちらにも正しさがある。むしろ、両方があるからこそ美術って面白いんだろうな、と。

🎯どっちも“好き”でええやんか

ギターも、美術も、つまるところは「好きかどうか」だと思うんです。「価値があるから好きになる」のではなく、「好きになったから価値がある」と言ってもいい。「美術品の選び方」なんてものは無いと考えています。(もちろんお客様にアドバイスはしますよ)「美術は感じるもの」。それで良いのではいでしょうか。自分の中にある「懐古する気持ち」と「革新を求める気持ち」、その両方を大事にできたら、人生もっと楽しい。

PRSのギター、買うかどうかはまだ迷ってます。次買うと我が家には5本のギターがいることになるので・・・。でも、そのうち買うような気がしています。それは新しい刺激が欲しいという気持ちと、ずっとギターと向き合ってきた自分への、ちょっとしたご褒美として。

最後に・・・

ふと思いついたことをつらつらと書いてしまいました。そんなわけで・・・エレキギターの修理は出来ませんが、美術品の修理は出来ます。掛軸や額など、美術品がご入用の際、または修理が必要な際はサンコー商事にご相談ください。お待ちしております。

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掛軸修理・表装ならお任せ!全国対応の美術品専門店 サンコー商事
掛軸・額の修理、美術品修復ならサンコー商事。全国対応でオンライン見積もりも可能。大阪・北摂エリア(豊中、池田、箕面、尼崎、伊丹)を中心に、掛軸や絵画の販売も展開し、豊富な作品がご覧いただけます。

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